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どんとがうちにやってきた

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アバドが死んじゃった。

愛して止まない指揮者、クラウディオ・アバドが、とうとう亡くなった。




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昨秋にルツェルン祝祭管弦楽団と来日予定で、東京での4日間の全公演のチケットをとっていた。私にとって、昨年のメインイベントで、何ヶ月も前から楽しみにしていたのに、体調不良で中止。

高齢だし、癌の手術もしていたし、これはもうこちらから会いにいかなきゃ聞けないかも、と、今年こそはスイスまでルツェルン音楽祭に行こう! と決意していたのに。




2006年にこのオケと初来日したときに、私が別ブログで書い記事があった。





2006年10月13日

クラウディオ・アバド 指揮
ラヘル・ハルニッシュ ソプラノ


モーツアルト  コンサートアリア「わが愛しの希望よ! ああ、そなたにはどんな苦しみかわかるまい」K416  「ああ、できるならあなたにご説明したいものです」k418 「わが感謝をお受け下さい、やさしき保護者よ」k383

マーラー 交響曲第6番イ短調「悲劇的」


ルツェルン祝祭管弦楽団は、ベルリン・フィルやウィーン・フィルなどトップクラスのオーケストラメンバーやソリストをアバドが一本釣りして作ったオーケストラだ。年3回のルツェルンでのコンサートの他は、各メンバーはそれぞれの活動をしている。オケとしての海外公演は、今年は日本だけだという。
モーツアルトのアリアは、ラヘル・ハルニッシュが立ち姿も声も繊細で、とにかくすてき。

マーラーは、没頭した。オケも陶酔して、アバドと一体になっている感じだ。2楽章と3楽章を逆にした構成だったが、2楽章の緩急など、全員が一緒に息をしているようだ。
4楽章では、3回ハンマーが打ち落とされ、緊張が高まってラストに。アバドが振り終えた瞬間、アバドもオケもそのままの姿勢で息をとめるように微動だにせず。観客もしーんと動かず。咳の音一つしない。ホール全体が静寂のまま30秒はたっただろうか、絶妙のタイミングで低音の「ブラボー」の声がかかり、アバドとオケがふっと息を吐き、拍手の嵐となる。鳥肌の立つ瞬間だった。

今日さらに嬉しかったことは、どうしてもとれなかったルツェルンフェスティバルの18日のチケットが、主催者のところに数枚あり、ホールで買えたことだ。ポリーニとアバド!! 今年一番聞きたかったコンサートだ。ああ、楽しみ!        







2006年10月18日

指揮 クラウディオ・アバド  ピアノ マウリツオ・ポリーニ

ブラームス ピアノ協奏曲2番変ロ長調 op83

ブルックナー 交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」 ノーヴァク版



アバドとポリーニ。私が今年一番聞きたかったコンサートだ。プレ発売でも、一般発売でも取れず、先週金曜のコンサートで、幸運にも手にできたチケット! 38000円。A席なのに。
ポリーニとアバドが揃って舞台に出てきた時には、同じ時代に生きさせてもらって、ありがとう~という感慨がわき起こってきた。

ブラームスは軽やかで、きらきらしている感じの演奏。ポリーニは独奏会ではよく歌いながら演奏しているのだけど、さすがに今日は口は動いていなかった。

ブルックナーは、圧巻。大きな大きな船で一緒に航海しているような、身体が持ち上げられるような、そんな感じ。






毎年、数え切れないくらいのコンサートに行っているのだが、未だに、私の人生史上、この時のコンサートがナンバーワンです。

本当に悲しい。書いていても、泣けてくる。

2年ほど前から、ルツェルンまで行こう、という話があって、でもチケット取りづらく、延ばし延ばしになってたのです。それを今年は・・と思っていたのに・・やはり、会いたい人には、思い立ったときに会わなくちゃダメなんだ。
by dontodon | 2014-01-24 16:10 | 舞台・コンサート

犬猫馬鹿息子とのバトル生活


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